2015年12月1日火曜日

[016.1] nov

11月のリスニングから
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Dubby - Mitamine Lab Mix
listen
なんて深い世界なのだろうと。レコードショップOndasの店主Dubby氏が、メキシコシティ拠点のプロジェクトMitamine Labへ提供したゲストミックス。週に1度更新されるシリーズは、ミックス音源に絵画や彫刻、視覚詩など現代美術のイメージを組み合わせて紹介している。この幾何学的造形はブラジルの彫刻家/画家リジア・クラークの作品「ビチョ」(動物の意)の1つ。

Len Leise - Lingua Franca (International Feel Recordings, 2015)
「豊かな音楽文化があり、追いきれないほど良いプロデューサーたちで溢れている」と自身が語る、メルボルンを拠点に活動するDJ/プロデューサーLen Leise(レン・ライズ)。昨年末の「Music For Forests」を皮切りに、AficionadoからのEP、セルフリリース「Edits 001」「M of M Tape」と、いずれもアーシーな感触をもつ素晴らしい作品が続く。再びInternational Feelから、新たなミニアルバム・シリーズのキックオフとしてリリースされた今作は、モロッコ、スペインのリュクマホル、ロシアのレウトフ、インド、ブラジル、アフリカを巡る、実体験に基づく空想の紀行記。「リンガ・フランカ」とは、異なる母国語を持つ人同士がコミュニケーションをとるための共通言語のことだという。

Albrecht La'Brooy - Good Morning Passengers (Analogue Attic Recordings, 2014)
listen Mailing Road
市街地の喧噪を離れ、ダンデノン丘陵の森林へ向かう列車の旅全体で約21分と短いEPフォーマット。しかし、走行音や人々の会話を織り交ぜたアンビエンス、ダブ/音響的なディープハウスがノンストップで連なり鉄道周辺に住む人々の日常風景や、多文化が共存する都市の表情を映すシネマチックな構成に、収録時間以上の広がりを覚えた。Albrecht La'Brooy(アルブレヒト・ラブロイ)はAlex AlbrechtとSean La'Brooy、2人のプロデューサー/DJからなるユニット。メルボルンのレーベルAnalogue Atticのファーストタイトルで、続くRings Around Saturn「Erosion」も本作同様に素晴らしい。

Maia Ibar - When You Close Your Eyes / And I See (Perfect Wave, 2015)
listen And I See
故郷バスクとブルックリンを往復し、ドローイング、実験映画、インスタレーションを創作しているMaia Ibar(マイア・イバル)。サイケデリックポップ・バンドTeen(アルバムのミックスはSonic Boom)や兄たちと結成したDual Splitでは、ヴォーカルとドラムを担当し、サウンドとビジュアルの両方でマルチな活動を展開する彼女が、パーソナルな内面性を音で描いたソロ名義のカセット。川のように流れるエレクトロニクス、シンギングボウルやベル、チャイムの煌めき、自らの声を重ねたコーラス/チャントで、空間を夢心地で満たしてゆく。Perfect Waveはブルックリンを拠点とするレーベルで、ジンの最新号ではPauline Oliveros、Laraaji、Iasosといった先達を取り上げている。

Nuron / Fugue (Likemind, 1994)
listen In Motion
Nurmad Jusatが立ち上げたLikemind(「同じ志を持つ者」という意)は、UKデトロイト・フォロワー筆頭のStasis(Steve Pickton)、As One/Elegy(Kirk Degiorgio)、Redcell(Michael Golding & Steve Rutter)といったインテリジェンス/ピュア・テクノの象徴たるプロデューサーが集い、93年から96年の短い間に4タイトルの12" EPをリリースした。「LM-02」はJusatがニューロンとフューグという異なる名義で各面をスプリット。光の乱反射で霞んだ夜空に辛うじて見える星々と、飛行機の舷灯や障害灯、道路灯を都市の星座に見立てるプラネタリアの音楽