2018年2月12日月曜日

[184] Løksa - Green Adaptor


Label: Hypnotic
Catalog#: CLP 9880
Format: CD, Album
Country: US
Released: 1996
DISCOGS

1 Green Adaptor 1 8:13

2 Green Adaptor 2 7:43
3 Green Adaptor 3 8:03
4 Green Adaptor 4 9:10
5 Green Adaptor 5 9:30
6 Green Adaptor 6 6:18
7 Green Adaptor 7 9:42

90年代におけるアンビエント・ミュージックは、ある環境の中でその一部として機能するというよりも、多くの場合、聴く人の中に仮想環境を構築し「アンビエント」という心的状態へシフトさせるインストーラーのような役割をもつ音楽だったように思います。(それはバーチャルリアリティやサイバースペース、バイオスフィア、コンピュータネットワーク技術といった領域に関係するもので、特に「Tranquilizer」のような作品に強く感じます。)この「Green Adaptor」は、情報に溢れストレスの多い現実世界から離れ、自分自身の中にあるもうひとつの自然へ適用するための7つのステージで構成された、いわばアナザー・グリーン・ワールドのインストーラー。シンギングボウルの倍音のうなり、チャイムやゴングを思わせる金属的な音、うねうねと浮動するエレクトロニクス、そして全編にわたり全体を包み込む分厚い雲状のドローン。#3-4では水の音、#6では鳥のさえずりといった自然音も挿入されていますが、それらは瞑想のステージを経た無念無想の境地から現実世界を遠目に眺めるかのような、遥か彼方の出来事のようです。作者は90年代前半からいくつかの名義を使い分けてゴアトランス〜テクノ〜ドラムンベース作品をリリースしたデンマーク生まれのプロデューサーJesper Løksa(イェスパー・ロクサ)。おそらく彼の最もディープなアンビエント志向が具現化された一枚だと思います。


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